大規模修繕工事を行う管理組合が受けられる「長寿命化促進税制」を解説。固定資産税の減額内容や適用条件をわかりやすくご紹介します。
マンションの資産価値を維持し、快適な住環境を保つためには、計画的な大規模修繕工事が欠かせません。しかし、修繕工事には数千万円規模の費用がかかることも多く、資金調達やコスト負担が大きな課題です。
そこで、国のマンション管理計画認定制度の認定を受け、長寿命化促進税制を活用することで、区分所有者の税負担を軽減しながら大規模修繕工事を進めることが可能となります。
大規模修繕工事の対象例:
・外壁や屋上防水の高耐久仕様化
・配管の耐腐食素材への更新
・耐震補強工事
・サッシの断熱性能向上
長寿命化促進税制とは
長寿命化促進税制は、建物の耐用年数を延ばすための改修・修繕に対して、一定の税制優遇を翌年度に行う仕組みです。
1.適用要件
(マンション自体の要件)
・築後20年以上経過していること
・総戸数が10戸以上であること(住戸だけでなく店舗なども含めた全戸数)
・過去に長寿命化工事を1回以上実施していること(外壁塗装工事、床防水工事、屋根防水工事など)
(修繕・管理体制の要件) A、Bいずれかに該当
A. 管理計画認定マンションの場合
・令和3年9月1日以降に、修繕積立金を「管理計画認定基準」まで引き上げ、かつ管理計画の認定を取得していること
B. 助言・指導を受けた管理組合の場合
・自治体などから助言・指導を受けたうえで、長期修繕計画を見直し・作成し、一定の基準に適合させていること
(工事の実施時期と手法)
・2回目以降の長寿命化工事を、令和5年4月1日~令和9年3月31日までに完了していること
・使用する工法・部材は、JASS / JAMS / 公共建築改修工事標準仕様書などの基準に則っていること
(工事後の申告)
・工事完了後3ヶ月以内に、市町村などへ「減額申告」を行うこと
2.減税内容
・建物部分の固定資産税が1戸あたり100㎡相当分までで、翌年度1年間に限り減額される
・減額率は市町村により異なりますが、概ね 1/6〜1/2(約17%〜50%)
3. 制度活用のメリット
資産価値の維持向上:
長寿命化により将来の修繕サイクルが延びる
居住者の合形成が進みやすい:
税制優遇があることで賛成を得やすくなる
4. 注意点
・全ての大規模修繕が対象になるわけではない
・事前確認をせずに工事すると、優遇が受けられない可能性あり
・税制は年度ごとに内容や条件が変わるため、最新情報の確認が必須
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