マンションの長期修繕計画と聞くと、外壁や屋上防水、大規模修繕工事が思い浮かびます。ところが、見えない部分で重要なのがガス配管です。特に築30年以上のマンションでは、鋼管が使われていることが多く、腐食や漏洩リスクが高まります。
ガス配管は普段見えないため、多くのマンションで後回しにされているケースが目立ちますが、安全性に直結する重要な設備です。長期修繕計画の中で早めに位置づけ、資金と実施時期を明確にしておくことが、安心して暮らし続けるための第一歩になります。
1. ガス配管の寿命と更新時期
ガス配管には鋼管とポリエチレン管(PE管)があり、寿命は次のとおりです。
・鋼管(防食処理なし):20~30年
・鋼管(防食処理あり):30~40年
・ポリエチレン管 :40年以上
* 築30~40年を迎えるタイミングで更新を検討するのが一般的です。
2. 工事の内容と費用の目安
(工事)
・外部埋設管の更新(敷地内の供給管)
・共用部立て管・横引き管の更新(メーターまで)
・専有部配管の更新(室内に引き込む部分)
(費用)
・外部埋設管:数百万円~1,000万円程度
・共用立て管:1戸あたり10~20万円 × 戸数
・100戸マンションで全面更新:1,000万~3,000万円程度
* 更生工法(ライニング)を選べば、2~3割安くできる場合もあります。
3.負担範囲
ガス配管工事では「誰が負担するか」を明確にすることが大切です。
・ガス事業者が無償で交換する範囲(供給管やメーターまわり)がある
・共用部は管理組合負担
・専有部は原則各区分所有者負担
* ただし、専有部も含めて一括工事した方が効率的なケースもあります。総会での合意形成が重要です。
4.長期修繕計画への位置づけ方
長期修繕計画においては、以下のように組み込むとよいでしょう。
・実施時期:築30~40年目に「ガス配管更新工事」を設定
・費用枠:設備更新工事として、1,500万~2,500万円程度(100戸規模例)
・資金調整:大規模修繕や給排水管更新と重ならないように調整
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