マンションの設備は、建物と同様に経年劣化し、定期的な点検と修繕が不可欠です。この用語集は、設備点検の結果報告を理事会で受けた際や、設備の更新計画を検討する際に役立つよう、管理組合として把握しておくべき主要な用語を分かりやすく解説します。
1. 法定点検(ほうていてんけん)
定義 :法律(建築基準法、消防法など)に基づき、所有者や管理組合に実施が義務付けられている定期的な点検・調査。
具体例 :エレベーターの定期検査、消防設備の点検、特定建築物定期調査(建物全体)、貯水槽の清掃・水質検査など。
ポイント :専門の有資格者(例:昇降機検査資格者、消防設備士)が行う必要があり、結果を行政庁に報告する義務があります。これを怠ると法律違反となります。
▲法定点検 一覧
2. 任意点検(にんいてんけん)
定義 :法令による義務はないが、設備の機能維持や早期の異常発見のために、管理組合が自主的に行う点検。
具体例: 共用照明(センサーライトなど)、集合インターホン、機械式駐車場の定期メンテナンス、屋上防水層の目視点検など。
ポイント :法定点検でカバーされない部分を補完し、突発的な故障や修繕費用を未然に防ぐ効果があります。管理委託契約の業務範囲に含まれていることが多いです。
3. エレベーター設備
POG契約 :Parts(部品)、Oil(給油)、Grease(給脂)の略称。「パーツ」(押しボタン内部の電球や制御盤のヒューズ、点検で使用するウェスなど)、注油や整備に必要な「オイル」や「グリス」といった消耗品はPOG契約に含まれます。
フルメンテナンス契約 :POG契約に対し、エレベーターの定期点検・清掃・給油に加え、部品交換や修理費用も原則として月々の保守料金に含まれる契約。管理組合にとっては突発的な高額出費のリスクが少なく、予算管理がしやすいのが最大のメリットです。
リニューアル :エレベーターの老朽化した機器(制御盤、巻上機など)を新しいものに交換すること。全交換は費用が高いため、制御部分のみの交換(制御リニューアル)など段階的に行うこともある。
4. 消防設備
消防設備点検 :消防法に基づき、消火器、火災報知設備、スプリンクラー、避難設備などが正常に作動するかを定期的に点検すること。
報告義務 :点検結果を消防長または消防署長に報告する義務があり、報告期間はマンションの用途や規模によって異なります(通常、特定防火対象物は年1回、非特定防火対象物は3年に1回)。
誘導灯 :火災時に避難経路を照らすための照明。非常用バッテリーが内蔵されており、バッテリーの交換(寿命約6~8年)が定期的な修繕項目となる。
5. 給排水設備
排水ポンプ :地下にある汚水槽や雑排水槽の水を公共下水道へ圧送するための設備。定期的な保守点検と、経年による更新が必要です。
給水ポンプ :水道本管からの水を高層階に送るための設備(受水槽・高架水槽方式の場合、または直結増圧給水方式の場合の増圧ポンプ)。故障すると断水に直結するため、予備機や定期点検が重要。
更生工事: 既存の給排水管の内部に防錆や防食効果のある樹脂を塗布し、管の寿命を延ばす修繕方法。管を取り替える更新工事より費用は抑えられることが多いが、劣化状況によっては適用できない場合もある。
貯水槽 :水道水を一時的に溜めておく水槽(受水槽・高架水槽)。年1回の清掃と水質検査が義務付けられています。
6. その他
機械式駐車場 :パレットの昇降により、限られたスペースに複数の車を格納できる設備。定期的な点検や部品交換が不可欠であり、故障すると利用者に大きな影響が出るため、高額な修繕費用が長期修繕計画に反映されているか注意が必要です。
非常用発電機 :停電時に、エレベーターや消防設備などの最低限の機能を維持するために作動する発電機。負荷運転(実際に電気を流して動かす)を含む定期点検と、燃料(軽油など)の管理が必要です。
インターホンリニューアル: 集合インターホン設備の更新。近年は、カメラ付きやスマートフォン連携など、防災・防犯機能の向上を目的として行われることが多い。
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