優先順位別 管理規約改正項目一覧 何から改正に着手すべきか


 令和8年4月1日に施行される区分所有法の改正により、マンションの管理運営、とりわけ総会の招集手続きや決議方法に関する仕組みが大きく見直されます。これに伴い、国土交通省の「マンション標準管理規約」も改正され、各管理組合は自らの管理規約を最新版に整合させることが求められています。

 しかし、改正項目は多岐にわたるため、すべてを一度に見直すのは現実的ではありません。そこで本資料では、管理組合が円滑に対応できるよう、改正項目を「施行日までに必ず対応すべき最優先項目」から、「実務負荷が比較的軽い補完項目」まで、実務目線での優先順位別に整理しました。

 特に、総会の決議要件や招集通知に関する条文(標準管理規約 第47条・第43条)は、施行日以降の総会の有効性に直結するため、早期に改正総会を開催し規約改定を行う必要があります。



《ステップ1》【最優先項目】

ー2026年4月施行までに対応必須ー


(1)標準管理規約第47条(総会の会議及び議事)関係


①総会定足数の見直し 

(←区分所有法39条)

改正内容: 議決権総数の半数以上から過半数へ変更

     *特別決議→議決権総数の過半数区分所有者総数の過半数

理由: 基本の定足数を明確化

⇒標準管理規約第47条第1項

第47条 総会の会議(WEB会議システム等を用いて開催する会議を含む。)は、前条第1項に定める議決権総数の過半数を有する組合員が出席しなければならない。


②総会決議要件の見直し 

(←区分所有法39条)

改正内容: 出席者多数決制度の導入

理由: 区分所有法の改正に伴い、特別決議(区分所有権の処分を伴うものを除く)の決議要件を出席者多数決に変更

*特別決議についても出席者多数決に変更

組合員総数及び議決権総数の各4分の3以上

        ↓

出席組合員及びその議決権の各4分の3以上

⇒標準管理規約第47条第3項

3 次の各号に掲げる事項に関する総会の議事は、前2項にかかわらず、組合員総数の過半数であって議決権総数の過半数を有する組合員の出席を要し、出席組合員及びその議決権の各4分の3以上で決する。

一 規約の制定、変更又は廃止

二 敷地及び共用部分等の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないもの及び建築物の耐震改修の促進に関する法律(平成7年法律第123号)第25条第2項(区分所有建築物の耐震改修の必要性に係る認定)に基づく認定を受けた建物の耐震改修を除く。)

三 前号の敷地及び共用部分等の変更に伴って必要となる専有部分の保存行為等

四 区分所有法第58条第1項、第59条第1項又は第60条第1項の訴えの提起

五 その他総会において本項の方法により決議することとした事項 


③共用部分変更の決議要件緩和 

(←区分所有法17条)

改正内容: 耐震化、バリアフリー化等は4分の3から3分の2へさらに緩和

理由: 客観的事由がある場合の迅速な対応

⇒標準管理規約第47条第4項

4 次の各号に掲げる事項に関する総会の議事は、前3項にかかわらず、組合員総数の過半数であって議決権総数の過半数を有する組合員の出席を要し、出席組合員及びその議決権の各3分の2以上で決する。

一 敷地及び共用部分等の変更のうち、次に掲げるもの

 イ 敷地及び共用部分等の設置又は保存に瑕疵があることによって他人の権利又は法律上保護される利益が侵害され、又は侵害されるおそれがある場合におけるその瑕疵の除去に関して必要となるもの

 ロ 高齢者、障害者等の移動又は施設の利用に係る身体の負担を軽減することにより、その移動又は施設の利用上の利便性及び安全性を向上させるために必要となるもの

二 前号の敷地及び共用部分等の変更に伴って必要となる専有部分の保存行為等

三 建物の価格の2分の1を超える部分が滅失した場合の滅失した共用部分の復旧 



④ 建替え決議要件の緩和 

(←区分所有法62条)

改正内容: 客観的事由がある場合、多数決割合を5分の4から4分の3へ緩和

対象: 耐震性不足、火災安全性不足、バリアフリー不適合等

客観的事由とは

→「管理組合の主観」ではなく、建物の物理的・社会的状況に基づく合理的理由が必要

 ・耐震性の不足

 ・火災に対する安全性の不足

 ・外壁剥落等により周辺に危害を生ずるおそれ

 ・給排水管との腐食等により著しく衛生上有害となるおそれ

 ・バリアフリー基準への不適合

⇒標準管理規約第47条第5項

5 マンション再生等に係る決議のうち、建替え決議、建物更新決議又は取壊し決議は、第2項にかかわらず、組合員総数及び議決権総数の各5分の4以上で行う。ただし、建物が区分所有法第62条(建替え決議)第2項各号に掲げるいずれかの事由に該当する場合は、組合員総数及び議決権総数の各4分の3以上で行う。 


⑤マンション再生手法の追加 

(←区分所有法64条)

改正内容: 以下の再生手法を総会決議事項に追加

 ・建物敷地売却決議

 ・建物取壊し敷地売却決議

 ・取壊し決議

 ・一棟リノベーション決議

決議要件: 建替えと同等の原則5分の4以上(客観的事由がある場合は4分の3)

 ⇒標準管理規約第47条第6項

6 マンション再生等に係る決議のうち、建物敷地売却決議又は建物取壊し敷地売却決議は、第2項にかかわらず、組合員総数、議決権総数及び敷地利用権の持分の価格の各5分の4以上で行う。ただし、建物が区分所有法第62条(建替え決議)第2項各号に掲げるいずれかの事由に該当する場合は、組合員総数、議決権総数及び敷地利用権の持分の価格の各4分の3以上で行う。


《改正区分所有法》

(議事)

第三十九条 集会の議事は、この法律又は規約に別段の定めがない限り、出席した区分所有者議決権を有しないものを除く。)びその議決権の各過半数で決する

(以下略)


(共用部分の変更)

第十七条 共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。第五項において同じ。)は、集会において、区分所有者(議決権を有しないものを除く。以下この項及び第三項において同じ。)過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)の者であつて議決権の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)を有するものが出席し、出席した区分所有者及びその議決権の各四分の三(これを下回る割合(二分の一を超える割合に限る。)を規約で定めた場合にあつては、その割合)以上の多数による集会の決議で決する。

2前項の場合において、共用部分の変更が専有部分の使用に特別の影響を及ぼすべきときは、その専有部分の所有者の承諾を得なければならない。

第一項の決議により共用部分の変更をする場合において、規約に特別の定めがあるときは、当該共用部分の変更に伴い必要となる専有部分の保存行為又は専有部分の性質を変えない範囲内においてその利用若しくは改良を目的とする行為(次項及び次条第四項において「専有部分の保存行為等」という。)は、集会において、区分所有者の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)の者であつて議決権の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)を有するものが出席し、出席した区分所有者及びその議決権の各四分の三(これを下回る割合(二分の一を超える割合に限る。)を規約で定めた場合にあつては、その割合)以上の多数による決議で決することができる。

4前項の決議をする場合において、専有部分の保存行為等の態様又は費用の分担に関する事項を定めるときは、決議の対象となる専有部分の区分所有者の利用状況、当該専有部分の保存行為等について区分所有者が支払つた対価その他の事情を考慮して、区分所有者間の利害の衡平が図られるようにしなければならない。

共用部分の設置若しくは保存に瑕疵かしがあることによつて他人の権利若しくは法律上保護される利益が侵害され、若しくは侵害されるおそれがある場合におけるその瑕疵かしの除去に関して必要となる共用部分の変更又は高齢者、障害者等(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成十八年法律第九十一号)第二条第一号に規定する高齢者、障害者等をいう。)の移動若しくは施設の利用に係る身体の負担を軽減することにより、その移動上若しくは施設の利用上の利便性及び安全性を向上させるために必要となる共用部分の変更についての第一項及び第三項の規定の適用については、これらの規定中「四分の三」とあるのは、「三分の二」とする。


(建替え決議)

第六十二条 集会においては、区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及び議決権の各五分の四以上の多数で、建物を取り壊し、かつ、当該建物の敷地若しくはその一部の土地又は当該建物の敷地の全部若しくは一部を含む土地に新たに建物を建築する旨の決議(以下「建替え決議」という。)をすることができる

2 建物が次の各号のいずれかに該当する場合における前項の規定の適用については、同項中「五分の四」とあるのは、「四分の三」とする。

一 地震に対する安全性に係る建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)又はこれに基づく命令若しくは条例の規定に準ずるものとして法務大臣が定める基準に適合していないとき。

二 火災に対する安全性に係る建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例の規定に準ずるものとして法務大臣が定める基準に適合していないとき。

 外壁、外装材その他これらに類する建物の部分が剥離し、落下することにより周辺に危害を生ずるおそれがあるものとして法務大臣が定める基準に該当するとき。

四 給水、排水その他の配管設備(その改修に関する工事を行うことが著しく困難なものとして法務省令で定めるものに限る。)の損傷、腐食その他の劣化により著しく衛生上有害となるおそれがあるものとして法務大臣が定める基準に該当するとき。

五 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律第十四条第五号に規定する建築物移動等円滑化基準に準ずるものとして法務大臣が定める基準に適合していないとき。

(以下略)


(建物敷地売却決議)

第六十四条の六 敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利であるときは、集会において、区分所有者(議決権を有しないものを除く。)、議決権及び当該敷地利用権の持分(議決権を有しない区分所有者が有するものを除く。)の価格の各五分の四以上の多数で、建物及びその敷地(これに関する権利を含む。)を売却する旨の決議(次項及び第三項において「建物敷地売却決議」という。)をすることができる。

2項建物敷地売却決議においては、次の事項を定めなければならない。

 一 売却の相手方となるべき者の氏名又は名称

 二 売却による代金の見込額

 三 売却によつて各区分所有者が取得することができる金銭の額の算定方法に関する事項

3 第六十二条(第一項及び第四項を除く。)及び第六十三条から第六十四条の四までの規定は、建物敷地売却決議について準用する。この場合において、第六十二条第二項中「前項」とあるのは「第六十四条の六第一項」と、同条第五項中「前項第三号及び第四号」とあるのは「第六十四条の六第二項第三号」と、同条第七項第一号及び第二号中「第六十四条の六第二項第三号」と、同条第七項第一号及び第二号中「の建替え」とあるのは「及びその敷地(これに関する権利を含む。)の売却」と、第六十三条第一項、第二項及び第四項から第六項まで、第六十四条並びに第六十四条の二第一項中「建替えに」とあるのは「売却に」と、第六十三条第七項中「建物の取壊しの工事に着手しない」とあるのは「売買契約による建物及びその敷地(これに関する権利を含む。)についての権利の移転(以下この項及び次項において「建物等の権利の移転」という。)がない」と、同項ただし書中「建物の取壊しの工事に着手しなかつた」とあるのは「建物等の権利の移転がなかつた」と、同条第八項中「建物の取壊しの工事の着手」とあるのは「建物等の権利の移転」と、「その着手をしない」とあるのは「建物等の権利の移転がない」と、第六十四条中「建替えを」とあるのは「売却を」と読み替えるものとする。


(建物取壊し敷地売却決議)

第六十四条の七 敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利であるときは、集会において、区分所有者(議決権を有しないものを除く。)、議決権及び当該敷地利用権の持分(議決権を有しない区分所有者が有するものを除く。)の価格の各五分の四以上の多数で、建物を取り壊し、かつ、建物の敷地(これに関する権利を含む。次項において同じ。)を売却する旨の決議(同項及び第三項において「建物取壊し敷地売却決議」という。)をすることができる。

2 項建物取壊し敷地売却決議においては、次の事項を定めなければならない。

 一 建物の取壊しに要する費用の概算額

 二 前号に規定する費用の分担に関する事項

 三 建物の敷地の売却の相手方となるべき者の氏名又は名称

 四 建物の敷地の売却による代金の見込額

 五 建物の敷地の売却によつて各区分所有者が取得することができる金銭の額の算定方法に関する事項

3 第六十二条(第一項及び第四項を除く。)及び第六十三条から第六十四条の四までの規定は、建物取壊し敷地売却決議について準用する。この場合において、第六十二条第二項中「前項」とあるのは「第六十四条の七第一項」と、同条第五項中「前項第三号及び第四号」とあるのは「第六十四条の七第二項第二号及び第五号」と、同条第七項第一号及び第二号中「建替え」とあるのは「取壊し及び建物の敷地(これに関する権利を含む。)の売却」と、第六十三条第一項、第二項及び第四項から第六項まで、第六十四条並びに第六十四条の二第一項中「建替えに」とあるのは「建物の取壊し及び建物の敷地(これに関する権利をむ。)の売却に」と、第六十四条中「及び」とあるのは「並びに」と、「建替えを」とあるのは「建物の取壊し及び建物の敷地(これに関する権利を含む。)の売却を」と読み替えるものとする。


(取壊し決議)

第六十四条の八 集会においては、区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及び議決権の各五分の四以上の多数で、建物を取り壊す旨の決議(以下この条及び第七十七条において「取壊し決議」という。)をすることができる。

2 取壊し決議においては、次の事項を定めなければならない。

 一 建物の取壊しに要する費用の概算額

 二 前号に規定する費用の分担に関する事項

3 第六十二条(第一項及び第四項を除く。)及び第六十三条から第六十四条の四までの規定は、取壊し決議について準用する。この場合において、第六十二条第二項中「前項」とあるのは「第六十四条の八第一項」と、同条第五項中「前項第三号及び第四号」とあるのは「第六十四条の八第二項第二号」と、同条第七項第一号及び第二号中「建替え」とあるのは「取壊し」と、第六十三条第一項、第二項及び第四項から第六項まで、第六十四条並びに第六十四条の二第一項中「建替えに」とあるのは「取壊しに」と、第六十四条中「建替えを」とあるのは「取壊しを」と読み替えるものとする



(2)標準管理規約第43条(招集手続)関係

総会招集通知事項の追加 

(←区分所有法35条)

改正内容: すべての議案で議案の要領(議案の内容を記載した議案書)の交付を義務化

理由: 区分所有者の判断材料確保


【新標準管理規約】

(招集手続)

第43条 総会を招集するには、少なくとも会議を開く日の2週間前(会議の目的がマンション再生等に係る決議であるときは2か月前)までに、会議の日時、場所(WEB会議システム等を用いて会議を開催するときは、その開催方法)、目的及び議案の要領を示して、組合員に通知を発しなければならない。

(略)

8 第1項(会議の目的がマンション再生等に係る決議であるときを除く。)にかかわらず、緊急を要する場合には、理事長は、理事会の承認を得て、1週間を下回らない範囲において、第1項の期間を短縮することができる。


《改正区分所有法》

(招集の通知)

第三十五条 集会の招集の通知は、会日より少なくとも一週間前に、会議の目的たる事項及び議案の要領を示して、各区分所有者(議決権を有しないものを除く。)に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸長することができる



(3)標準管理規約第24条の2(保険金等の請求及び受領等)関係

損害賠償請求権の代理行使 

(←区分所有法26条)

改正内容: 瑕疵、不法行為等があった場合の管理組合による代理行使権限の明確化

  一部でも転売のあったマンションは、管理者が一括損害賠償請求ができない

                 ↓

  旧区分所有者も含めて、管理者の一括賠償請求が可能に

理由: 共用部分の保全


【新標準管理規約】

(保険金等の請求及び受領等)

第24条の2 理事長は、前条の契約に基づく保険金並びに敷地及び共用部分等について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金(以下「保険金等」という。)の請求及び受領について、区分所有者及び区分所有者であった者(以下「旧区分所有者」という。)を代理する。

2 理事長は、理事会の決議を経て、保険金等の請求及び受領に関し、区分所有者及び旧区分所有者のために、訴訟において原告又は被告となること、その他法的措置をとることができる。

3 保険金等の請求及び受領は、前2項の規定によらなければ、これを行うことができない。

4 区分所有者は、区分所有権を譲渡した場合において、区分所有法第26条第2項の別段の意思表示を行わない。

5 保険金等は、これが生じた原因となる敷地及び共用部分等の瑕疵の修繕のために必要な費用に充当する。ただし、当該費用に充当してなお残余があるとき、敷地及び共用部分等の瑕疵の修繕を要しないとき、又は理事長が保険金等を受領した時に既に修繕を終えているときは、管理組合は、当該保険金等を第 27 条に定める費用に充当し、若しくは修繕積立金に組み入れ、又は既にした修繕のために費用を負担した者に対する償還に充てることができる。

6 第1項及び第2項の規定に基づき区分所有者を相手方として敷地及び共用部分等について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金の請求をする場合、理事長は、当該区分所有者に対し、違約金としての弁護士費用その他の諸費用を請求することができる。

7 前項の規定に基づき請求した弁護士費用その他の諸費用に相当する収納金は、第27条に定める費用に充当する。

8 理事長は、第2項の規定に基づき区分所有者及び旧区分所有者のために原告又は被告となったときは、遅滞なく、区分所有者及び旧区分所有者にその旨を通知しなければならない。この場合において、第43条第2項及び第3項の規定は、区分所有者への通知について準用する。


《改正区分所有法》

(権限)

第二十六条 管理者は、共用部分並びに第二十一条に規定する場合における当該建物の敷地及び附属施設(次項において「共用部分等」という。)を保存し、集会の決議を実行し、並びに規約で定めた行為をする権利を有し、義務を負う。

2 管理者は、その職務(第十八条第六項(第二十一条において準用する場合を含む。)の規定による損害保険契約に基づく保険金並びに共用部分等について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金(以下この条及び第四十七条において「保険金等」という。)の請求及び受領を含む。第四項において同じ。)に関し区分所有者(保険金等の請求及び受領にあつては、保険金等の請求権を有する者(区分所有者又は区分所有者であつた者(書面又は電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)による別段の意思表示をした区分所有者であつた者を除く。)に限る。以下この条及び第四十七条において同じ。)。同項において同。)を代理する

(以下略)




《ステップ2》【高優先項目】

ー管理組合運営に直接影響ー

標準管理規約第67条の3 関係

(4)所在等不明区分所有者の除外手続

改正内容: 裁判所への除外申立手続の規定化

理由: 決議の円滑化


【新標準管理規約】

(所在等不明区分所有者の総会の決議等からの除外)

 第 67 条の3 理事長は、ある専有部分の区分所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、理事会の決議を経て、裁判所に対し、その区分所有者(以下「所在等不明区分所有者」という。)以外の区分所有者により総会の決議を行うことができる旨の裁判(以下「所在等不明区分所有者の除外の裁判」という。)を請求することができる。

2 理事長以外の区分所有者は、裁判所に対し、所在等不明区分所有者の除外の裁判を請求したときは、遅滞なく、理事長にその旨を通知しなければならない。

3 所在等不明区分所有者の除外の裁判が確定したときは、それ以降に開く総会において、所在等不明区分所有者は、議決権を有しない。この場合において、当該所在等不明区分所有者、その有していた議決権及びその有する敷地利用権の持分については、それぞれ組合員総数、議決権総数及び敷地利用権の持分の総数から除外する。

4 前項の規定により総会の決議から除外する所在等不明区分所有者に対しては、第43条第1項並びに第44条第1項及び第2項の通知を発することを要しない。

5 第1項の裁判所への請求を行うこととなる場合は、理事長は、当該請求に要した経費について、弁護士費用等を加算して、当該所在等不明区分所有者に請求することができる。

6 前項に定める費用の請求については、第 60 条第4項の規定を準用する。

7 第5項の規定に基づき請求した弁護士費用等及び請求に要した費用に相当する収納金は、第27条に定める費用に充当する。



標準管理規約第67条の4〜5 関係
(5)マンションに特化した財産管理制度への対応

改正内容: 財産管理制度の活用手続

理由: 管理不全マンションへの対応


【新標準管理規約】

(所有者不明専有部分管理命令)

第67条の4 理事長は、区分所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない専有部分(専有部分が数人の共有に属する場合にあっては、共有を知ることができず、又はその所在を知ることができない専有部分の共有持分)について、理事会の決議を経て、裁判所に対し、区分所有法第46条の2に基づく所有者不明専有部分管理命令を求める請求をすることができる。

2 理事長は、専有部分を管理する所有者不明専有部分管理人がその任務に違反して所有者不明専有部分等に著しい損害を与えたことその他重要な事由がある場合には、理事会の決議を経て、裁判所に対し、所有者不明専有部分管理人の解任を求める請求をすることができる。

3 所有者不明専有部分管理人は、自らの氏名又は名称、住所又は居所及び裁判所の命令を受けてその対象である所有者不明専有部分を管理する旨を遅滞なく理事長に届け出なければならない。

4 理事長は、第1項の請求に基づき選任された所有者不明専有部分管理人による所有者不明専有部分の管理に必要な経費として管理組合が負担した費用について、当該専有部分の区分所有者に請求することができる。

5 第1項の裁判所への請求を行うこととなる場合において、理事長は、前項の経費のほか、当該請求に要した費用について、弁護士費用等を加算して、当該専有部分の区分所有者に請求することができる。

6 前2項に定める費用の請求については、第60条第4項の規定を準用する。

7 第4項及び第5項に基づき請求した所有者不明専有部分の管理に必要な経費、弁護士費用等及び裁判所への請求に要した費用に相当する収納金は、第27条に定める費用に充当する。


(管理不全専有部分管理命令)

第 67 条の5 理事長は、区分所有者による管理が適切に行われていない専有部分について、理事会の決議を経て、裁判所に対し、区分所有法第 46条の8に基づく管理不全専有部分管理命令を求める請求をすることができる。

2 理事長は、対象物件内の専有部分を管理する管理不全専有部分管理人が管理不全専有部分等に著しい損害を与えたことその他重要な事由がある場合には、理事会の決議を経て、裁判所に対し、管理不全専有部分管理人の解任を求める請求をすることができる。

3 管理不全専有部分管理人は、自らの氏名又は名称、住所又は居所及び裁判所の命令を受けてその対象である管理不全専有部分を管理する旨を遅滞なく理事長に届け出なければならない。

4 理事長は、第1項の請求に基づき選任された管理不全専有部分管理人による管理不全専有部分の管理に必要な経費として管理組合が負担した費用について、当該専有部分の区分所有者に請求することができる。

5 前条第4項から第7項の規定は、前項の費用の請求について準用する。この場合において、「所有者不明専有部分管理人」とあるのは「管理不全専有部分管理人」と、「所有者不明専有部分」とあるのは「管理不全専有部分」と読み替えるものとする。



標準管理規約第31条の3 関係

(6)国内管理人制度

改正内容: 海外居住組合員への国内管理人選任義務

理由: グローバル化への対応


【新標準管理規約】

(国内管理人)

第31条の3 組合員が国内管理人を選任した場合は、直ちにその旨並びに国内管理人の氏名又は名称及び住所又は居所を書面により理事長に届け出なければならない。

2 組合員は、前項の規定により届け出た国内管理人の選任を終了させた場合又は届け出た内容に変更があった場合には、直ちにその旨を書面により届け出なければならない。




《ステップ3》【優先項目】

ー管理適正化関連ー

標準管理規約第23条 関係

(7)共用部分管理に伴う専有部分への立入り

改正内容: 管理に必要な専有部分の保存行為等を明確化

理由: 管理不全防止


【新標準管理規約】

(必要箇所への立入り) 

第23条 前2条により管理を行う者は、管理を行うために必要な範囲内において、他の者が管理する専有部分若しくは専用使用部分への立入り又は自らこれに保存行為を実施することを請求することができる。

2 前項により立入り又は保存行為の実施を請求された者は、正当な理由がなければこれを拒否してはならない。

3 前項の場合において、正当な理由なく立入り又は保存行為の実施を拒否した者は、その結果生じた損害を賠償しなければならない。

4 前3項の規定にかかわらず、理事長は、災害、事故等が発生した場合であって、緊急に他の者が管理する専有部分又は専用使用部分への立入り又は保存行為の実施をしなければ、共用部分等又は他の専有部分に対して物理的に又は機能上重大な影響を与えるおそれがあるときは、自らその専有部分又は専用使用部分に立ち入り、又は保存行為を実施することができる。この場合において、理事長は、委任した者にこれを行わせることできる。

5 立入りをした者は、速やかに立入りをした箇所を原状に復さなければならない。



標準管理規約第21条 関係
(8)共用部分の管理に伴う専有部分の保存行為

改正内容: 改正区分所有法の規定される「規約の定め」に当たることを明示

理由: 管理不全防止


【新標準管理規約】

(敷地及び共用部分等の管理)

第21条 敷地及び共用部分等の管理については、管理組合がその責任と負担においてこれを行うものとする。ただし、バルコニー等の保存行為(区分所有法第18条第1項ただし書の「保存行為」をいう。以下同じ。)のうち、通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負担においてこれを行わなければならない。

2 専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の保存行為等(区分所有法第 17 条第3項の「専有部分の保存行為等」をいう。以下同じ。)を共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、総会の決議を経て、管理組合がこれを行うことができる。

3 区分所有者は、第1項ただし書の場合又はあらかじめ理事長に申請して書面による承認を受けた場合を除き、敷地及び共用部分等の保存行為を行うことができない。ただし、専有部分の使用に支障が生じている場合に、当該専有部分を所有する区分所有者が行う保存行為の実施が、緊急を要するものであるときは、この限りでない。

4 前項の申請及び承認の手続については、第17条第2項、第3項、第5項及び第6項の規定を準用する。ただし、同条第5項中「修繕等」とあるのは「保存行為」と、同条第6項中「第1項の承認を受けた修繕等の工事後に、当該工事」とあるのは「第21条第3項の承認を受けた保存行為後に、当該保存行為」と読み替えるものとする。

5 第3項の規定に違反して保存行為を行った場合には、当該保存行為に要した費用は、当該保存行為を行った区分所有者が負担する。

6 理事長は、災害等の緊急時においては、総会又は理事会の決議によらずに、敷地及び共用部分等の必要な保存行為を行うことができる。



標準管理規約第28条 関係

(9)修繕積立金の使途明確化

改正内容: 使途範囲の整理(更新・売却・取壊しの調査、設計段階の支出可)

理由: 適正な資金管理


【新標準管理規約】

(修繕積立金)

第28条 管理組合は、各区分所有者が納入する修繕積立金を積み立てるものとし、積み立てた修繕積立金は、次の各号に掲げる特別の管理に要する経費に充当する場合に限って取り崩すことができる。

一 一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕

二 不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕

三 敷地及び共用部分等の改良又は変更

四 建物の建替え、建物の更新、建物敷地売却、建物取壊し敷地売却又は取壊し(以下「マンション再生等」という。)に係る合意形成に必要となる事項の調査

五 修繕積立金の管理及び運用

その他敷地及び共用部分等の管理に関し、区分所有者全体の利益のために特別に必要となる管理

2 前項にかかわらず、区分所有法第 62 条第1項の建替え決議、区分所有法第64 条の5第1項の建物更新決議、区分所有法第64条の6第1項の建物敷地売却決議、区分所有法第 64 条の7第1項の建物取壊し敷地売却決議又は区分所有法第 64 条の8第1項の取壊し決議(以下「マンション再生等に係る決議」という。)を経て、マンションの再生等の円滑化に関する法律(平成14年法律第78号。以下「円滑化法」という。)第9条第1項のマンション再生組合の設立の認可、円滑化法第 45 条第1項に基づく事業の施行認可、円滑化法第 113 条第1項に基づくマンション等売却組合の設立の認可又は円滑化法第 163 条の6第1項に基づくマンション除却組合の設立の認可を得るまでの間においては、マンション再生等に係る決議の後であっても、その事業に係る計画又は設計等に必要がある場合には、管理組合は、その経費に充当するため、修繕積立金を取り崩すことができる。同様に、マンション再生等に係る区分所有者の全員の合意の後であっても、その事業に係る計画又は設計等に必要がある場合には、管理組合は、その経費に充当するため、修繕積立金を取り崩すことができる。ただし、取壊し以外のマンション再生等に係る計画又は設計等に必要な経費に充当するために修繕積立金を取り崩す場合は、管理組合の消滅時にその事業に参加しない区分所有者に帰属する修繕積立金相当額を除いた金額を限度とする。

管理組合は、第1項各号の経費に充てるため借入れをしたときは、修繕積立金をもってその償還に充てることができる。

修繕積立金については、管理費とは区分して経理しなければならない。 



標準管理規約第20条 関係
(10)区分所有者の責務

改正内容: 相互協力、円滑な管理を明記

理由: 区分所有法においても区分所有者の責務が規定されたことに伴う修正


【新標準管理規約】

(区分所有者の責務)

第20条 区分所有者は、管理組合の構成員として相互に協力し、対象物件について、その価値及び機能の維持増進を図るため、常に適正かつ円滑な管理を行うよう努めなければならい。 


《改正区分所有法》

(区分所有者の責務)

第5条の2区分所有者は、第三条に規定する団体の構成員として、建物並びにその敷地及び附属施設(同条後段の場合にあつては、一部共用部分)の管理が適正かつ円滑に行われるよう、相互に協力しなければならない。




《ステップ4》【補完項目】

ー社会情勢対応ー

標準管理規約第38条関係コメント 関係

(11)役員就任時の本人確認

改正内容: なりすまし防止のための本人確認推奨

理由: 2025年の不正事件を受けた対応


標準管理規約第49条の2 関係

(12)総会資料の保管義務

改正内容: 議事録以外の総会・理事会資料の保管義務化

理由: 情報開示の充実






▼ 改正対応チェックリスト


*対応スケジュール

2025年10月17日: 改正標準管理規約公表
2026年3月末まで: 管理規約改正の総会開催推奨
2026年4月1日: 改正区分所有法施行(最優先項目は自動適用)




マンション管理支援21世紀研究会

住環境の向上、地域コミュニティ活動の支援、健全で安心なまちづくりの推進を通じて公益の増進に寄与することを目指します。 マンション管理支援21世紀研究会 は、マンションの管理組合や住民のみなさまに対して、わかりやすく中立的な情報を提供することを目的としています。 専門知識に基づいた管理提案、制度の解説、最新の動向(EV充電設備補助金制度など)など、管理組合の運営に役立つ情報をお届けします。

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